標高3000m級の峰々が連なる日本アルプス等と違い、標高1153mの身延山では例年あまり雪は降りませんが、年によっては頻繁に雪が降り、登山道に積もった雪が融ける事無く根雪になったり、日中融けた雪が夜間の冷え込みで凍結しアイスバーンになる箇所もあります。
身延山ロープウェイでは、山頂・奥之院駅から奥之院思親閣への参道及び北側展望台に通じる遊歩道の除雪はしておりますが、東西2コースある登山道につきましては、パトロールや除雪等は一切行っておりませんので、冬期に登山道を歩かれる方は、以下の点にご留意ください。
昨今、中高年齢層を中心とした登山ブームで、十分な装備の無いまま登山なされる方がまま見受けられます。夏期と違い、冬期はたとえ身延山であっても、登山道に積雪・アイスバーンがありますし、山の天候が急変する事もしばしばあります。凍結箇所での転倒による怪我や骨折を未然に防ぐ為にも、又、天候悪化による急激な気温低下に対処する為にも、防寒着は言うに及ばず、ストックやアイゼン等の冬山装備も必ず携行してください。
身延山山頂にあるロープウェイ山頂駅と奥之院思親閣いずれも山小屋の様な宿泊施設を完備していません。又、東コース中間点の大光坊、西コースの追分感井坊及び松樹庵いずれも宿泊施設では無く、「いざとなったら宿泊すればいいや」と言う訳には参りませんので、くれぐれもご注意ください。
登山道には携帯電話の電波が届かない箇所が多々あり、公衆電話の類もありませんので、基本的には外部との連絡がつきません。又、山岳指導員による登山道のパトロールも行われておりませんので、万が一、怪我をされた場合でも、素早い発見や救助が出来ません。夏山にしろ、冬山にしろ、登山においては「セルフレスキュー」(自己対処)が基本である事を認識した上で、無理な行程・体力の過信・貧弱な装備・登山に関する知識不足が原因でのアクシデントに遭遇しない様、十分心掛けた上で、安全で快適な登山を楽しんでください。