葛飾北斎 冨嶽三十六景「身延川裏不二」
身延山山頂 東側展望台
当時、甲斐国側いわゆる西側から見た富士を「裏富士」と呼んでいた。
また身延川は身延山中に源流を持ち、日蓮宗の総本山身延山久遠寺周辺の川であり、波木井（はきい）川から、富士川へと合流する。
旅人が行き交う山道の脇を流れる急流とわき上がる白雲、そしてその先に競り立つ険しい山々の間から顔を見せる富士の姿を眺めながら、身延山久遠寺への参拝に向かっているようです。
宝暦10年（1760）～嘉永2年（1849）
19歳の時、当時の似顔絵役者絵の第一人者だった勝川春章に弟子入りし、翌年、の画名で浮世絵界にデビュー。
師の亡くなったあと、北斎は勝川派から離れ、京の琳派の流れをくむ俵屋宗理の名を継ぎ、町絵師として始動。
宗理として３年ほど活動し、北斎と名乗りはじめたのは38歳の頃。
40代後半に読本の挿絵の斬新な表現が評判となり、50代になると門人の数も増え、葛飾派として一派を作り上げる。
北斎の名を不動のものとした『冨嶽三十六景』を手がけたのは、70歳を過ぎてからでした。
最晩年は肉筆画にも筆を揮った。
